甘くて切なくて、愛おしくて


必死で応援するお母さんやお父さんの姿を見て、美味しそうにこうしてご飯を食べる姿を見て。


こんなにも楽しくて、幸せな時間なんだっていうのをあたしは..


「おい、どうしたんだよ」


必死で拭っても拭いきれない涙がシートに落ちていくのが分かる。参ったな、こんなに楽しいのに、泣くなんて。ユウキ君の心配そうな声に、早く答えてあげたいのに。



「..ね、あのね..」


うまく声が出なくて、伝えるのが難しい。すると、ぽんっと頭の上に手が乗った。この感触は、目を瞑っていても分かる。置かれた手はゆっくりとあたしの頭を撫でていく。そのおかげか、少し落ち着くことが出来た。



「だいじょうぶ..か?もしかして..さっき僕が言ったから」


「違うのっ..違うの」


違うんだよ


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