甘くて切なくて、愛おしくて


クスッと小さく笑ってユウキ君を見る。あぁ、この笑顔、いいなぁ。


「だって、まさかここまでだとは思ってなかったんだもんっ!」


「そんなの想像付くだろうが、ほら」


「ありがとう」


ふふ、いつもはあたしにイジワル言ってくるユウキ君が、小さな子供に見える。


「何がおかしいんだよ」


「ううん、何でもない~唐揚げもら~いっ!」


「あ、おいそれ僕の分だぞ!!」





小学校の運動会、あたしは一人だった。

親はどっちも仕事で来られなくて、でも外で一人で食べるのはあまりにも惨め過ぎて。だから教室の隅で一人、コンビニ弁当を食べていたのを覚えている。


だから運動会なんて大嫌いだったんだ。



でも今日、この行事がこんなにも楽しいものなんだっていう事を、あたしは初めて知ったんだ。
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