甘くて切なくて、愛おしくて
そうだ。俺は絶対に好きにならない。あいつの事なんて..
「父さんは本当にそれでいいの?」
「いいんだよ」
自分でも不思議なくらい自然と笑顔になった。ぽんっとユウキの頭を撫でる。
いいんだ、本当にいいんだ。今はこの子を育てるのが俺にとって大事な事で、しなければならない事だから。
「なんだよ、くすぐったいよ」
「ったくお前も可愛くねェ子供に育っちまったな」
「何それ..どういう意味?」
「もっと子供らしくなれって事だよ」
「僕、まだ子供だけど..」
「そうだな、さて、晩御飯にすっか、テーブル片付けてくれ」
「はーい」
どうやら蝶花に晩飯を持って行くのは諦めたらしい。テーブルに皿に盛りつけしたユウキが綺麗に置いて行く。
「父さん、来週の土曜日、何の日か覚えてる?」
「来週の土曜日..」