甘くて切なくて、愛おしくて



同時に声をあげた。


同じ車両でも違う乗り場だと思ったのに。


「おはよう..ございますっ」

「..おう」



別にあの車両にさえ乗らなければいいと思っていた。降りる駅も違うし、会う事もないと思っていたのに。

あたしのバカー!ちゃんと前の人見てないからこんな事になるのよ!!



でもそれはお互い様らしく、それ以上喋る事無くただ前を向いて流れる景色に視線を向ける。


振られた..のに、もう叶う事はないって分かってるのに


こんな時でも心臓の音が高鳴って、どきどきしてしまう。



前ならきっと何か言ってくれて、それで喧嘩になって、無言になる事なんかなかったのに。

あたしがあんなことしたから..


沢城さんに気持ちを伝えようとしたから..


「お前、さっきユウキと何話してたんだ?」

「へ?」

「さっき、約束だからなって言われたろ?ユウキに..」

「あっと、それは..」


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