甘くて切なくて、愛おしくて



少しムキになって見上げると、沢城さんと目が合った。
それから下を向きながらほんとにお前はと沢城さんが呟く。


「間もなく~駅、~駅です~お出口は~」


アナウンスの声が響いて電車が止まった。


扉が開いてみんなが出る中で、沢城さんも一緒に出た。


ぽんっと頭の上に手を置かれて



「待ってる」


低い声で耳元で囁いて、行ってしまった。




分かってるのに。


手が届かないって、十分分かってるはずなのに。


それでもどうしてこんなに好きになってしまうんだろう。






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