甘くて切なくて、愛おしくて
沢城さんの家に行くと、玄関先からいい匂いが鼻をくすぐる。
「シチューですか?」
借りたスリッパを履いてリビングに向かいながら質問するとユウキ君の呆れた声が返って来た。
「食べ物の事しか頭にないのか?」
「失礼な、ちゃんと色々考えてますよ、大人ですから!」
「へぇ~」
「あ、バカにしたねっ!今あたしの事すっごくバカにした!」
あぁでもない、こうでもないと言い合うあたし達にコツンと軽いげんこつを落とされた。
「ったくお前らは。仲良いの分かったから手伝え」
「はぁ?何で僕がこんな奴と!!」
「ちょっとユウキ君、今のそれとても失礼なんですけど!!」
「いいから手伝え!!」