甘くて切なくて、愛おしくて



「久しぶりね。葬儀以来、かしら?」


「はい」


8年も会っていないのに、ちっとも変わらない。穏やかで、優しい人に過去を思い出す。

お義母さんは、あいつを女で一つで育てた。幼馴染みの俺はいつもお義母さん、(当時はおばさんと呼んでいたが)にいつも晩飯を御馳走になってた。
晩飯だけじゃない。いけない事は叱ってくれたし、作文のコンクールで入賞した時も大学に合格した時も、俺の親以上に喜んでくれた。


そしていつだって俺達の味方でいてくれた。学生結婚を周りから反対されても、あいつが妊娠した時も。あいつが..亡くなった時も。
最後まで俺達を応援してくれた。



それでもあいつが死んだのは俺のせいかもしれないという罪悪感からずっと逃げてきた。


会わないようにしてたのに。



「この子が..あの時の子、なのね」


嬉しそうに笑ってしゃがみ込む。子供の目線に立つ姿も相変わらずだ。



「はい、挨拶しろ」



ポンっと背中を押すと、ユウキはしゃんと背筋を伸ばして自己紹介をした。


「沢城、ユウキです!8歳です!」


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