甘くて切なくて、愛おしくて
「沢城さんに挨拶した?」
「ううん、いいの」
ユウキ君とはたまに会って話すけれど、沢城さんとは一度も会わずに今日まできてしまった。
きっと会っても困らせるし、あたしも、辛いだけだし。
「あれ?佐野さんは?」
「今向かってる。もう少しで着くと思うんだけど」
今日の引っ越しが終わったら、あたしは佐野さんに答えを出す。
ずっと引っ張り続けてきたけれど、それでも佐野さんはずっと待っててくれた。
だからそれに答えなくちゃ。
「本当に、いいんだね?」