新撰組蝶乱




(!…音声撹乱器だと。)




ひゅうっ




と、冷たい風が吹いた。




男の編み笠が、空に舞う。




「なっ…」




土方が、いや沖田近藤、その場にいた全員が目を疑った。




そこに立っていたのは、






「不知火蝶。松平公の命により、今日午後10時、新撰組頓所に見参した次第!」




鈴のような、それ且つハスキーな声音と、狐のようなしなやかな体をもった、









おんな









だった。




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