新撰組蝶乱
『じゃあ、不知火くん、自己紹介を頼むよ。』
近藤に促され、蝶は頷き音もなく立ち上がって再び口を開く。
『局長殿から今紹介預かったが…"しらぬいあげは"、歳は二十じゃ。』
『二十?』
『沖田隊長と同じくらいだぜ。』
遠慮がちに隊士達が囁きあう。
それを横目で見ながら、蝶が続けた。
『まだここのやり方や規則等もよく知らぬ故、多少迷惑をかけることもあるかもしれぬのじゃが、どうぞよろしくお頼み申す。』
そう言って深々とお辞儀をする蝶に、拍手と、『よろしくー!』という声があちらこちらからあがった。