新撰組蝶乱
『よし、じゃあ今日は解散…と、まだあったな。』
蝶の自己紹介を見届けた近藤が、ふともう一度口を開いた。
『もうひとつ。これから頓所内で猫がうろうろしていても、おいだしてはならんよ。彼は、優秀な猫だ、不知火くんのな。彼は高い治癒能力をもっていてね、名前を…えーっと…』
なんだったかな、と蝶にこそこそと近藤が聞くと、
『野火じゃ。』
『そう!のびくん。昨日のお前達の傷も野火くんのおかげで治ったんだぞ。』
近藤の言葉に隊士達は感嘆の声をあげたが、蝶にしてみれば自分が負わせた傷、例え防御でも、褒められたものではないなと苦笑した。