新撰組蝶乱




「…ああ。すまねェ。」




少し自分に呆れた。




誰かが介入してきたからといって、大切な稽古中に集中を欠くとは。




落ち着こうと、渡された水をぐいっと飲み手ぬぐいを首にかける。




煙管を取り出そうとして、止めた。




どうせ、蝶にまた奪われて燃やされるのが落ちなのだ。




ならば、あとでこっそり吸うときの為にとっておこうと考えた。




"燃やす"




このことはつい昨日、今日と同じ時間同じ場所で蝶に聞いた。




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