新撰組蝶乱
正門にはほぼ全ての隊士が揃っていた。
中には新撰組副長土方歳三、一番隊隊長、沖田総司の顔もある。
「ああ、近藤さん。やっときた。」
傍にやってきた沖田に、
「おお総司、いやすまない。ところで…これはどうなっているんだ?先程、山崎から松平公のもとより来たと聞いたんだが。」
「どうも、奴はそう言ってるらしいですね。」
沖田が編み笠の男に、目を走らせながら言う。
「俺もちょいと前に話を聞いたばかりです。土方さんの方が詳しく知ってると思いますよ。」