この場所で。
私は眠りながら、少し前のことを思い出していた。
本当になんてことない、ただの過去の一部。
あれは、去年の夏だったかな……
部活でレギュラー落ちして、中庭のベンチでこっそり泣いたっけ。
そしたら………
「…………ッ!」
音を大きめに設定してあるアラームで目が覚めた。
時間は、いつも帰りのSHRが終わる頃の少し前。
「寝過ごした……」
急いでシャワーを浴びて制服に着替える。
顔が少し赤いけど、今朝よりは少し楽だ。
エリや夏奈子たちにバレないように、そっとあの場所へ向かった………。