この場所で。
耳にたくさんのピアス。
綺麗な顔立ちに、それに不釣り合いな着崩した制服。
「いった……」
私の首もとに顔を埋め、その瞬間チクッと痛みが走った。
か、咬んだ……?
首から顔をはなすと唇をペロッと舐めながら私を見た。
「つけちゃった♪」
……つけた?
なにを……
そう聞く暇もなく、この子の手は私の制服のボタンにかかった。
「な、なに……」
あぁ、
本当に怖い時って声が出ないんだ。
なんてぼんやり思いながら、相手を見据えた。
きっと何かの間違いだ。
そんな馬鹿みたいなことを期待しながら……。