Quiet man
あれから、一ヶ月__________




此処は某病院の、

ナース・ステーション。



「お盆休みは?」

「あ、いいえ。私は別に。」

「そうなん?

それやったら変わって貰える?」


「ええ、構いませんよ。

あたしは特に予定もないし。」




・・ここは京都でも、

比較的田舎の病院。

うちの菩提寺のある近くやった。


朝の申し送りが済んだ後、

同い年の先輩に

休みの交代を催促される。


狙い目はいつもあたし__。


中にはTVでのあたしの事を

憶えてる人もおったから、

イビリの対象やったりして。



「看護師より水商売の方が

儲かってエエんちゃうん?」



って・・中にはハッキリと

した嫌味も云う先輩もおる。


口答えせんとヒョットコ

みたいなヘンな顔してたら

"何このコ? バカにしてんの?"

みたいに直ぐムッとしはる。

解って貰えて嬉しいわって感じ。



( 増えろ、コジワ!! )

とか、心の隅で呪っときゃ

済むからええねんけどさ。



・・まあ、

ホンマに予定もないし、

チビちゃんらの相手も楽しい。


夏休み、もうお盆やと言うのに

おうちに帰られへんコもおる。


そんなコらの為に

ボランティアで残ってくれる

先生がいる。


院長の息子さんやけど、

凄く気さくでよく気も使わはる。



「小野原さん、

今回の納涼大会のプログラム。」


「あ、ギリですねー。ふふ。」


「はは。まあ、そう云わんと

ちょっと見てくれへん?」



ナースステーションに入って来て

彼は嬉しそうに紙を見せる。


他のナースらはあたしの事、

影で"男たらし"って

云うてるから皆、

ムスっと知らん振りしてた。







「え__________?」


と云うのも、つい先日の事・・。


その院長の息子である彼に

屋上に呼び出されて告られてた。


それがたちまち噂になったから。









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