Quiet man
「・・・・・?」


それは

アコースティック・ギターの

音色だった。


もういい時間の夜なのに

・・大丈夫なん? 


しかし、音が異常に近い。


____ まさか、

ドアのまん前で弾いてる?


スローなメロディ、

彼の乾いた様な歌声を

あたしは・・

ドアに背中を向けて聴いていた。





___ 眩しすぎて 

届かないのさ


こんなに近くにいるのに 


触れることすら 

かなわない


shining baby 

どうか 許しておくれ


歪んだ愛を

あげるつもりはなかったさ


shining baby

どうか 見逃してほしい


まだチャンスが

あるかどうか教えてよ・・





「・・・ア!」



ガチャ。



ドアを

そっと開けて顔を覗かせた。


アコギ・ライブの様子で

足を組み、ご丁寧に

部屋の前にイス持って来て

座って歌っていただなんて。




< 81 / 254 >

この作品をシェア

pagetop