“俺の女”





「川島!! 川島!!!
早く起きないと
降り遅れるよ?」



礼は川島くんの体を
グラグラ揺らしながら
強引に起こす



結局
起こしてるし‥


って笑ってみたり



「え‥もう〜?
んん〜‥まじ眠い」


「ほら、もう着くよ?」


「うん‥‥あ!!
あかりとトークできなかった!
寝てる場合じゃねぇのに」


なに言ってんだか…


電車に乗ってスグ
寝ちゃったくせに



降りる人がゾロゾロと
立ち上がり出口に集まる
あたしも荷物を持って
川島くんと一緒に立ち上がった



そして座ったままの礼が
急に川島くんの腕を
引っ張り寄せた


「うわ‥!!」


「あかりに何かしたら
あたしが許さないからね!!
あと彼氏も!!」


「分かってるよ!!
別に何もしないから」



礼ってば本当に強引


そんな性格に尊敬するよ



「じゃあね礼!!」


「明日ねぇ!!」



人混みの中に入り
電車を降りた



その流れで
次の電車に急ぐ


確か‥次まで
あと5分しかない


いつもなら
急ぐのが嫌いで
ダイヤに怒りをぶつけていたけど
今日は感謝だね
この短時間のおかげで
川島くんともすぐ
別れれるから






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