ホワイトキャンバス
湊は私の2こ上で、19だった。
ひとりで暮らし始めて、まだ一年経たないと言っていた。
私が何故家出したのか、家に帰れないのかを彼に聞かれた時、「パパが乱暴するから」と私が言うと、それきり何も聞かなかった。
彼は赤茶に染めた髪にうねるようなウェーブがかかっていて、縁の黒いメガネをかけていた。
顔立ちはとても幼くて、中学生にも見えた。
それを言うと
「歌鳴だって童顔だよ」
と笑った。
笑うと八重歯がのぞいた。
――ある時、湊に聞かれた。
「ねぇ、歌鳴の得意なものは何?」
ひとりで暮らし始めて、まだ一年経たないと言っていた。
私が何故家出したのか、家に帰れないのかを彼に聞かれた時、「パパが乱暴するから」と私が言うと、それきり何も聞かなかった。
彼は赤茶に染めた髪にうねるようなウェーブがかかっていて、縁の黒いメガネをかけていた。
顔立ちはとても幼くて、中学生にも見えた。
それを言うと
「歌鳴だって童顔だよ」
と笑った。
笑うと八重歯がのぞいた。
――ある時、湊に聞かれた。
「ねぇ、歌鳴の得意なものは何?」