天の邪鬼な彼女に、甘いキスを。~ White Day ~ (完)
「……お前こそ、そのかわいくねぇ性格、最悪だし。バレンタインの相手が誰か知らねぇけど、お前から想われてるとか不憫でしょうがねぇよ」
「―――」
そんなこと思ってないのに。
むしろ、オレ自身が亜美に想われたい気持ちでいっぱいなはずなのに。
完全に、売り言葉に買い言葉だった。
亜美が黙った。
唇をグッと噛み締めている。
「…どうせ性格悪いし。ってか、あんたに言われる筋合いない!あんたなんて大っ嫌い。拓海のばか!」
大嫌い、とまで言うのかよ?
「――バカで結構。もう、お前のことなんて知らねーよ」
オレはミントチョコの箱を亜美の机にバン!と置いて、教室から出る。