真夏の雪
あまりの金の無さと空腹に耐えかねてあいつ…
《高橋》の町まできてしまった。


マジ田舎。しかし人は親切だ。滅多に遭遇しないけどさぁ…


しかし暑い…ありえねーよ。


パキスタンも52度らしいしさ…。


アイツんちどこだよ!携帯も電池は切れてるし充電機無いし!


高橋…高橋…

確かこの辺だった気がする…



雪斗「あぢい!無理!何時間探してると思ってんだあいつ!



全財産を高橋の電話につなげる為に公衆電話に注ぎ込んだ。

…なのに。



あ…あいつ説明がアバウトすぎんだよ!


てか金持ちなんだからリムジンで迎えにこいよっ!



俺の肌はこんがり小麦色に染まっていた。


色白美白が自慢なんだぞ…。


雪斗「…くそう…。覚えとけよ…。



その時だった…。


あの表札を見つけたのは。





…あれだぁぁ!

なんて神々しい!

俺の昔の記憶が正しければあの家に違いない。



見つけたのはかなり大きめな青い屋根の家…


いや、豪邸だぞ…。



俺はその豪邸のインターホンのスイッチに親指を添えて、連打しまくる。


雪斗「俺のスラップをくらいやがれっ!
はーっ!はっはっはぁーっ!
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