君と俺の事情
次の日、紗夜は普通に登校していた。
初めに俺のとこきて、昨日のことを謝ってきた。
紗夜も、結構深く反省してるみたいだし。
忘れていんじゃないかな!
「集〜音程、外すなよな?」
「もちろん!沢山、練習してきたんだ♪」
「へ〜…さすが、集だな!」
本番まであと少し。
さすがにもう、失敗は許されない。
その為、家でいっぱい練習!
ま〜直ったかは、まだわからないけど…。
…―
「お疲れー!」
「やっと、集が出来たみたいだな」
「おーよ!」
「他の部分もよかった」
「ちゃっかり、だね」
3時間練習、終わったぜ!
今日はめちゃくちゃ調子いい。
そのおかげか、うまくできた。
音程外してないし、本番みたく気持ち入ったと思う。
みんな、俺を褒める!
みんなと別れてすぐ。
忘れ物をした俺は、一度校舎に戻った。
取り行って帰ってくると、またまたベンチに紗夜が座っていた。
「な〜に、してんの」
「…長瀬…」
「君どうしたの!その痣!」
光で照らされてるからわかる。
顔と腕、足についてる痣が。
無数についてる。
制服をよく見ると、土…?
しかも、革靴の跡まで。
2人又は、4人掛かりか?
イジメ…?
それとも、ただのリンチ…?
「何があったの」
「…ちょっとね。まだ近くにいるから、ここから出れない」
ずっと下を向く紗夜。
まだ近くにいるって、い、意味わかんないんだけど。
「…おいで」
「え、む、無理!!まだ近くに!」
「怖がってるばかりじゃ、ダメだって言ったじゃん。俺ん家おいで」
俺は紗夜の腕を引っ張って、学校を出た。
微かに震えてる姿を見たとき、なんか無意識に手を繋いだ。
よく、結未姉ちゃんにしてもらったことだけど。