純愛☆フライング―番外編―
「え? あ、あの見てるだけなんで……すみません」

「ああ、いえ。実は僕、研修中なんです。なるべくお客様に声をかけるよう指導されていまして……。とはいえ、寝具コーナーは初めてなので、本当に質問されたら困るんですが」


制服らしきスーツ姿の男性店員は胸に『曽根崎』と書かれた名札をつけ、それに『研修中』の札が下がっていた。


(な、なんて正直な……)


男性社員でこの時期研修ということは……きっと新卒に違いない。そうだとすれば、志穂より3~4歳上だろう。

でも、見た目はインドア派の草食系男子。大学生アルバイトと言われても違和感はない。なかなかのイケメンが茶目っ気タップリに笑っている。

つられて、ついつい志穂も笑顔になった。


「えっと……ここにはよく来るんですけど。バイトさん、じゃないですよね?」

「はい、社会人1年生です。今はあちこちの店舗を回り、仕事を覚えている最中なんです」

「それは大変ですよね……こういうスーパーとか、女性のほうが多そうだし」


こんな真面目で素直そうな男性なら、年上女にあっさり食われちゃいそうな気がする。


(レストランの厨房は男ばっかりだけど、ホテルにはたくさんの女がいるのよねぇ……。しっかり、たっちゃんもターゲットになってるし)


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