俺様☆キング
 嬉しかった。再び涙が込み上げてきた。
 今なら『好き』って言える…。

 ギュッ。
 私は慧に抱き付いた。初めての行為で慧は驚いてる。

「っ!!」
「ふぇ…慧の…バカ」
「悪い…お前を試すような事して」
「ヒック…好き」
「はっ!?」

 好きなの…。今一番慧に伝えたい事。

「…慧がっ…好き」
「っ/////」

 チュッ。
 私はふいにキスされた。前みたいにキスを拒まず受け止めた。だって慧の気持ちも私の気持ちも一緒だから。

「俺も好きだ音子。離さねぇかんな、覚悟しろよ」
「うんっ!」

 いつだって慧は私を好きでいてくれる。そんな慧を私はもっと好き。

 -現実ー

「マジかー…。あんなにも拒んでたのにねぇ」
「ごめん…」
「謝んないでよ~。今度こそ幸せにね! あっ! 噂をすれば~…」

 友達が指差した方向には慧がいた。

「おい。音子来い」
「あ、うん」

 あたしはクラスの人達にヒューヒュー言われながら慧のもとへ行った。

「おう」
「うん」

 気まずいな…。///

 ギュッ。
 慧が、いきなり抱きしめてきた。ちょっと~、みんな見てるんですけど~!///

「プレゼント」

 と言って慧は私から離れた。
 首元見たらネックレスが掛かっていた。
 このネックレスは…!

「これ…!」
「そう、お前が俺に返したネックレス」

 慧の事をきっぱり振った時に慧に返したネックレスだった。

「…持ってたんだ」
「当たり前だろ、俺の女に絶対してやるつもりだったし、今度は受け取れよ」
「うんっ!」

 私は慧に満面の笑みを見せた。
 そう…今度こそ幸せに…。


< 13 / 28 >

この作品をシェア

pagetop