恋愛の条件

いつもお昼は、同期の沙希と同じ部署の後輩のあやと一緒ににランチ行く。

今日のように時間がない時は社員食堂で済ませるが、外に出ることも多い。

決まって三人の会話は仕事のことというより恋愛の話の方が多かったが、今日の奈央はその話題についてはなるべく避けたかった。

特に社員食堂となると、誰が聞いているかわからない。

「で、さっきは奈央先輩の異動の話しで聞けませんでしたけど、どうして山下さんと別れたんですか？」

社員食堂の窓側の席を早々と確保したあやが座るや否や鼻息を荒くして聞いてきた。

「ちょ、ちょっと、あやちゃん、声が大きい！」

「山下さん、仕事もできてあんなかっこいいのに～！みんな狙ってるんですよ？」

どうやら、入社二年目のあやにとって、注目の部署への異動話よりも恋愛話の方か重要なようだ。