恋愛の条件
「何してんのよ!?」

「昨日、話の途中で奈央帰ってしまったから……」

「別に話なんてないわよ!」

奈央は冷たく話しを切ろうとするが、今日の裕樹は引き下がらない。

「奈央の悪い癖だよ、人の話の途中でプイって逃げて行くの」

「別に逃げてなんかないわ。何も話すことがなかったもの」

裕樹とは視線を合わせず、エレベーターのドアをじっと見つめる。

「俺、ひとつだけ奈央に言いたいことがあって……」

「何よ?」

「奈央にはすごく感謝してるって。あんな別れ方したけど、奈央のこと本気で好きだったから」

「裕樹……」

思いがけない裕樹のことばに奈央の心がトクンとなる。

「ただ、好きって感情だけじゃ上手くいかないときだってあるんだ。どんなに好きでも奈央は俺の手には入らなかった……」


(ドキン……どんなに好きでも手にはいらない……?)


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