恋愛の条件
ミーティングルームへ資料を持って入ると、中には片桐だけが席についていた。

「あの、片桐キャップお一人でしょうか?」

「あぁ、それが?」

素っ気ない言葉に、室内の温度が5度下がった気がし、給湯室での佐野の言葉を思い出した。

「いえ、他の技術スタッフは?」

「俺一人で十分だ。時間がないから始めよう」

俺以外に誰が必要なんだといわんばかりに言い捨てられ、奈央は何も言えず末席に腰を下ろした。

間もなく修一と五十嵐が入り、ミーティングが開始された。

奈央は二人のディスカッションを目の当たりにし、そのすごさに口を挟むことができなかった。

レベルが違いすぎるのだ。

ものの15分で基本計画がまとめられ、修正箇所を指摘する。

本来営業が準備する開発工程も殆ど片桐が作成し、原案を説明した。

それを見た五十嵐は目をパチパチさせ、固まってしまった。


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