恋愛の条件
「まず、この取引が成功したとしての仮定ですが……」
「成功するに決まっているだろう」
「それは笹倉課長には分からないことです。この大きな取引が成功すれば、否が応でも課長ではなく、部長が増額を承認してくれるでしょう。今無理に承認してもうより確実です」
呼吸をするのも忘れ、奈央はきっぱりと言い切った。
「よくそこまで笹倉課長の出方がわかっているな?」
「単純な方ですから。それに……」
「それに?」
「笹倉課長はどうやら私のことがすごく好きみたいです。いいところを見せたいのでしょう」
バカにされ喧嘩越しになっていた奈央は、悪びれもなく片桐に言ってのけた。
「ふっ……分かった、もういい」
先ほどまで渋面で聞いていた片桐が急に吹き出したかと思うと表情を和らげる。
「広瀬さん、君は面白いな?」
「あ、あの……」
面喰っている奈央を見てまた片桐が噴き出す。
「あの片桐キャップが笑ってい、る?」
戸惑っていたのは奈央だけではないらしく、事の成り行きをはらはらして見守っていた五十嵐も呆気に取られた。
「成功するに決まっているだろう」
「それは笹倉課長には分からないことです。この大きな取引が成功すれば、否が応でも課長ではなく、部長が増額を承認してくれるでしょう。今無理に承認してもうより確実です」
呼吸をするのも忘れ、奈央はきっぱりと言い切った。
「よくそこまで笹倉課長の出方がわかっているな?」
「単純な方ですから。それに……」
「それに?」
「笹倉課長はどうやら私のことがすごく好きみたいです。いいところを見せたいのでしょう」
バカにされ喧嘩越しになっていた奈央は、悪びれもなく片桐に言ってのけた。
「ふっ……分かった、もういい」
先ほどまで渋面で聞いていた片桐が急に吹き出したかと思うと表情を和らげる。
「広瀬さん、君は面白いな?」
「あ、あの……」
面喰っている奈央を見てまた片桐が噴き出す。
「あの片桐キャップが笑ってい、る?」
戸惑っていたのは奈央だけではないらしく、事の成り行きをはらはらして見守っていた五十嵐も呆気に取られた。