恋愛の条件
「ウソじゃねぇよ。俺は何度お前に好きだと言えばいいんだ?」

掠れるような修一の声。

「…………」

「奈央が好きだ」

修一は顔を覆い隠す奈央を抱きしめ額にそっと唇を這わせた。

「ずっと奈央を忘れられなかった。3年前も、その後も、ずっと奈央のことを考えていた」

「…………」

「忘れたことなんてなかった」

ずっと欲しかった言葉に、奈央は修一の腕の中でその身体を震わせて泣いていた。

「奈央?」

自分の胸に顔を埋めてこんなに泣く奈央なんて初めて見る。

修一は心配そうに奈央の背中に腕を廻し、優しく撫でた。

「ごめん、今頭がごちゃごごちゃで……ずっと忘れられなかったって、本当?」

「あぁ……」

「でも、何で?じゃぁ、何で……」

戸惑うはずだ。

修一は3年前、何も言わずに奈央前から去っていったのだから。

「本当は3年前も……」

修一は初めて語る自分の気持ちを、戸惑う奈央に分かるようゆっくり言葉を選んだ。


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