恋愛の条件
「奈央……ごめん」

嗚咽を堪えて想いを吐き出す奈央に修一はキスを落とす。

額に、頬に、唇に……

「い、今話してるのにキスなんてしないでっ!!」

「お前が可愛いすきんだろ……」

「なっ……わ、私の3年間を返してよっ!もしあの時、修と、修と一緒にいられなかったとしても、気持ちは通じ合ってたってわかっていたら、ひどい男に捨てられたんじゃないって分かってたら、私はちゃんと前に進めて、今頃ちゃんと幸せになれてたのにっ!」

「そうだな……」

また一つキスを落とす。

「そうよっ……こんな意地っ張りのプライドが高いだけの女にならなかったわよっ」

「そうだな、俺が悪い」

修一のキスはやまない。

「修、んん……」

少し長いキスをし、唇を離す。

そして修一は少し考える様子を見せて答えた。

「でもなぁ、もし、あの時お前が納得していたら……」

「----何よ?」

「ということは……お前、俺の以外の男と幸せになってたってことだろ?そんなことさせられるかよ?」

修一は悪びれもなくさらっと言ってのけた。

「よ、よくもぬけぬけとそんなこと……」

奈央の肩が怒りで揺れる。

「俺だってさぁ、結構ショックだったんだぜ?」

「何がよっ……」

「半年して本社に仕事で戻る機会があった時、奈央に男がいて」

「はぁ?戻って来ていたの?」

「まぁ、合わせる顔なんてなかったけど。奈央が他の男と一緒にいるところを見てすげぇショックだった。相手はすげぇエリートだって聞いてたし……」

奈央は言葉を失った。

余りにも自分本位な修一に呆れて何も言えない。


(な、何こいつ……何であんたが傷ついているみたいなパターンになってんのよっ!?こっちはあんたのこと忘れようと必死だったんだから!!)


条件のいい男を探して幸せになろうと必死だった。

自分が惨めな想いをしないよう、全てを包んで愛してくれる人を一生懸命探していた。


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