恋愛の条件
「修、戻らなきゃ……WILの基本計画の修正かけて明日までプレゼンのアウトライン考えないと」

「あと30分はいいだろ?」

「だ、ダメよ……」

「おい、山下、俺また打ち合わせにでも行ったって伝えておいて?」

「な、何考えてんの……」

「今は奈央のことしか考えられない」

「し、修、ダメ……」

カーテン越しにとはいえ、裕樹がいることを思いっきり無視したこの態度に流石の裕樹もささやかな反抗に出る。

「黒沢チーフは5分で戻りますって言っておく♪」

「なっ、てめぇ……」

「好きな女取られた上に、殴られたお返し♪」

「えっ?殴られたって?」

奈央は一瞬瞠目するが、その答えを遮るように修一がすごむ。

「何でもねぇよ……山下、お前覚えとけよ?」

苛立った修一の声が医務室に響き、裕樹は一瞬怯んだ様子だったが、クックッと笑いを堪えているようだった。

「奈央、ここにかばんとコート置いておくから、ちゃんと病院行くんだよ?」

「あ、ありがと」

「どういたしまして。まぁ、久しぶりに奈央のキレイな裸見れたから役得?」

「おっ前……5回はシバく!!さっさと行けよっ!!」

はいはい、と裕樹の優しい声が遠くなり、ドアがガラガラと閉められた音が聞えた。


(ホントこんなところ見られるなんて……サイアク……)


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