恋愛の条件
そして沙希の執拗な追撃は続き----

「あいつ、ちゃんとセックスできてんの?」

「///っ///」

佐野の手からグラスがガチャンと落ちる。あと一歩で倒れそうなところを寸でで沙希の手がそれを受け止めた。

「あっぶないなぁ~」

佐野は開いた口が塞がらず、パクパクしながら奈央に助けを求めるが、彼女も身を乗り出して興味深々といった感じで詰め寄ってくる。

あぁ、今日の奈央は完全に酔っぱらっているから無理だ、と佐野もあきらめる。

「で、どうなの?」

「ふ、普通です!普通!」

どう答えていいか分からず、そんなことを口走ってしまう。

「へぇ~やっぱり。あいつってそんな感じよね」

沙希がケラケラ笑って机を叩く。

「そ、そんな感じって……」

「佐野ちゃん!男にエッチが普通なんて言ったらだめよ?自信喪失で使い物にならなくなるから。下手クソって言われた方がまだいいんじゃない?」

「ち、ちがいます!そんな意味じゃなくて……山下さんはすごく優しくて、私いつもわけがわからなくなって……あれ?ヤダ、私何言ってんだろ」

佐野は取り繕おうとしてしどろもどろになる。そのトマトのように熟れた顔をおおい隠して俯く。

「ねぇ、普通って、裕樹のサイズの……ふがっ」

「広瀬さん!」

俯いていた佐野がガバッと顔を上げ、何てことを言うんだ、と奈央の口を覆う。

「あれ?そう言えば、奈央裕樹とヤってんだし、知ってるよね?」

「-----っ!」

沙希のその超速球ストレートな毒に佐野の瞳がみるみる潤んでくる。



< 349 / 385 >

この作品をシェア

pagetop