恋愛の条件
その夜の奈央は、珍しく焼酎にまで手を出し、酷く沙希や佐野に絡んだ。

最初のうちはビール一杯でやめようと思っていたのに……

「でぇ、佐野さんはど~なのぉ?」

「何がですか?」

お酒に強い彼女は酔っ払いのあしらい方も慣れているのだろう。

奈央の手からチューハイのグラスをスッと取り、ウーロン茶を店員に頼む。

「あっ、私のお酒~」

「広瀬さん、飲みすぎです。お酒に弱いんだからもうやめなきゃ。今日は担いで帰ってくれる黒沢さんはいないんですよ?」

「う……佐野さんひどい!」

「広瀬さん、お酒に逃げても解決しませんよ」

何だか佐野の口調がキツく感じるのは気のせいだろうか。

沙希は、もっと飲ませろ、面白いと笑っているが、佐野は運ばれてきたウーロン茶をにっこり笑って奈央の前に差し出した。

「で、私が何ですか?」

「あっ、そう!そうだ!佐野さんは裕樹と上手くいってるのぉ?」

「えっ?わ、私のことはっ……」

「あっ、照れちゃってかわいい~」

冷静に酔っ払いの対処をしていた佐野の顔が赤くなり、視線を泳がす。

「あっ、それは私も知りたい♪」

「一条さんまで……私の話なんてどうでもいいじゃないですか」

「ヤダね。絶対に聞く。あのドMと付き合っているんだから佐野ちゃん、実はめちゃくちゃドSか、裕樹以上のドMよね?」

「なっ////何言ってるんですかぁ!?」

至って真面目だけど?と涼しい顔をして佐野を追い込む沙希の目は、新しい獲物がテリトリーに入ってきたと言わんばかりに輝く。



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