恋愛の条件
一瞬の出来事だった。

修一は奈央の身体を引きよせ、長い指で彼女の顎を捕らえたかと思うとその唇を奪った。

あやが小さい悲鳴を上げたが、修一は構わず奈央の頭に手を回し逃げ場を遮る。

「んん、ヤメ……んんーーーー」

ヤメテと口を開いた瞬間、歯列を割って侵入してくる舌が奈央のそれに絡められた。

胸を手で押し返して抵抗してみせたが、酔いが廻ったせいか、潜在意識か、理性を奪うような修一の舌に奈央の口内は蹂躙される。


(何、が起きているの……?)



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