恋愛の条件
「忙しい部署なのは承知してます。何から始めましょうか？」

奈央は頭を切り替え部下らしく尋ねた。

「そこに置いてあるクライアントからの書類を今日中にまとめて？」

積み上げた書類の厚さを軽く見積もる。

「こ、れ全部ですか？」

「あぁ、あと、ノースアメリカのソフト別売上構成比をエリア別分析にしておいてくんない？その二つをファイルにして同時に見れるようにしておいて？」


（はぁ！？）


「私、こんなことしている暇ないんだけど？その為に派遣を頼んだんでしょ？」

苛立ちについ奈央の口調が戻る。

「企画開発の方で手がいっぱいみたいだな？優秀な広瀬さんがいるのに営業の方まで派遣頼む必要ないだろ？」

「何よそれ……」

「いいから、始めて？役立たずはここにいらないからな？」

急に修一の表情が真面目になり、奈央は一瞬戸惑った。


< 62 / 385 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop