恋愛の条件
「休みたいから、一人でランチに行って!」

「はいはい、お姫様」

修一はクスクス笑いながら、そうだ、と言って立ち止まる。

「まだ何か用?」

無造作にポケットから取り出した小さな瓶を奈央へと投げる。

「何これ?」

「むこうの薬だけど二日酔いの頭痛によく効くから。胃にも優しいし、それなら奈央でも飲めるだろ?」

「何で二日酔いの薬なんて持ってんの?修、じゃなくてチーフ二日酔いなんてならないじゃない?」

「さぁ、何でだろ?」

質問に質問で答えられるのは一番たちが悪い。

優しい声の響きの中にどこか艶めいたものを感じ、奈央は少し戸惑った。



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