恋愛の条件
「あ、ありがと……」

「じゃ俺は一人寂しくランチに行ってくるか?あと……」

「何?」

「二人の時はチーフって呼ぶな。修でいい」

「///呼びません!」

そんなことを急に真顔で言わないで欲しい。


(上司面したり、急に優しくしたり……ヤメテよ……)


まだ午前中の業務しか終わってないというのに、奈央はひどく疲れた気がして大きく溜息をつく。

振り回せれてばかりで、そんならしくない自分に苛立ちながらも、修一の小さな気遣いが少し嬉しかった。


(お腹弱いの、覚えててくれたんだ。
何だかんだ言ってそういうところは優しいのよね……)


奈央は修一に手渡された二日酔いの薬の瓶を手に、閉められたドアを複雑な気持ちで見つめた。
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