恋愛の条件


いつも満席でガヤガヤしている店内も花見シーズンのためか客もまばらで静かに感じられ、それがまた奈央に緊張感を与えた。

「私、飲まないわよ?」

「別に飲めなんて言ってないだろ?」

「ねぇ、何の用なの?」

「奈央と飯食うのに理由がいるの?一緒にいたいんだよ」

(なっ……どうしてしれっとそういうこと言えるのよっ)

修一の言葉に深い意味はないと自分に言い聞かせるも、奈央の心は動揺してしまう。

「ちょっとは楽になった?」

「(ドキン)な、何が……?」

「何って、二日酔い」

「何だ、二日酔いのことか……まぁね」

「クス、何のこと聞かれたと思ったの?」

「え……」

喉の奥で笑うように問われ、奈央の体温が上がる。


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