恋愛の条件
言葉を失う奈央を目の端で捉えながら、修一は店員を呼び止める。

「生一つと、奈央は?」

「あ、うん……私、何か温かいもの欲しいなぁ。ホットウーロンで。」

「何?風邪でもひいた?」

ふと修一が奈央の額に手を置き、顔を近づけた。

ダークブラウンの切れ長の目がぐっと近づく。

長い睫が奈央の額に軽く触れ、くすぐったさに身をひく。

「だ、大丈夫よ……熱なんてないから。ただちょっと調子が悪いだけ……」


(びっくりしたぁ……急に顔近付けるから、キス……されるのかと思った)


「キスされるかと思った?」

「///お、思ってないわよっ」

ズバリ指摘され、顔を赤らめながらも虚勢をはってみせたが、耳まで真っ赤になっていては、いつも強気に発せられる言葉も説得力がない。



< 91 / 385 >

この作品をシェア

pagetop