恋愛の条件
ついてきた自分がバカだった、と冷たい外気に頭をひやす。

「あぁ~もう!!何でこんな時ばっかりタクシーつかまんないかなぁ……」

空車のタクシーが見え、大きく手を上げる。

一台のダクシーが奈央の前に停車し、乗り込もうとした時、奈央は修一に思いっきり腰を引かれた。

「すみません。この人乗らないんで行ってください!」

「ちょ、ちょっと、乗りますから……」

奈央は修一の腕を振り払おうとしたが、後から強く廻されたその腕はびくともせず、身動きが取れない。

「すみません、この子ちょっと酔っ払ってるんで、行ってください」

「誰がっ!!何勝手なこと……」

奈央の抵抗も虚しく、タクシーはドアを閉め、走り去っていった。

「何考えてんのよっ!?酔っ払ってなんかないわよっ!!」

「お前こそ急に帰るって、何だよ、それ?」

「体調が悪いって言ったでしょ?」

奈央は修一から逃れようと体勢を変えるが、それが更に自分の拘束をきつくしてしまった。

正面を向かされ、苛立った修一の顔が奈央のすぐそばまで近づく。


(ドキン!)



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