恋愛の条件
「お前ってほんっと変ってねぇなぁ、面白れ~」

「何がっ!?からかわないでよ!修のそういうところすごくムカつく」

「俺、奈央のそういうところすげぇ好きだけど?」

運ばれてきたビールをゆっくり口に含みながら修一はその双眸でじっと奈央を捕らえる。

気恥ずかしさに目をそらそうとするが、修一の指がすっと奈央の頬に触れる。

頬から耳朶へ、そして首筋へ流れるように自然に動く。

ビクンと肩が跳ねるも、金縛りにあったように身体が動かない。

「なぁ、期待に応えて、キスしていいか?」

「///なっ……」

体温が一気に上昇し、心臓が跳ね上がる。

脳みそも身体もどうにかなりそうだ。


(もうムリ!! 絶対にムリ!!これ以上ムリ!!)


なけなしの理性を総動員させ、奈央は修一の指から逃れるように背もたれに身体を預ける。

一呼吸おくと、頭をぶんぶんと振り急に席を立った。

その奇怪な行動にさすがの修一も唖然とする。

「奈央、どうした?」

「ごめん、私帰る……」

奈央は修一と視線も合わせずにコートを手に取り背中を向けた。

「おい、奈央!!」

「やっぱり体調が悪いの、帰って寝るわ」

「ちょ、待てよ……」

店内を足早に去っていく奈央を目で追いながら、修一は数枚お札をテーブルに置き、奈央の後を追いかけた。


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