恋愛の条件
(キモチ、いい……ダメだなんてわかってるけど、何も考えられない……)


行き交う人々の好奇の視線も忘れ、奈央はいつの間にか長くそしてひどく甘いキスに酔いしれた。

「ん……修……」

「何だよ?」

「ハァ……も、ムリ……」

「足りねぇよ……」

「だって、んん……」

崩れそうになる奈央の身体を支え、修一は更にその舌を深く絡める。

抵抗しようという思考さえも拭い去るようなキスだった。

「奈央……」

「ん、何?」

修一はトロンとした奈央の瞳を満足そうに見つめ、低く囁く。

「タクシーが来た」

「へ?タクシー?」

朦朧としながら間抜けな返事をする。

「あぁ、乗って?」

「って……えっ?」

「行くぞ?」

「え?え?ちょっと、待って……」





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