恋愛の条件
蕩けるようなキスで腑抜けにされたと言っても、自分の置かれている状況は理解できる。

奈央は自分の頬をピシャピシャと叩いた。

「何やってんの?」

「念の為に聞いていい?どこに行くの?」

「俺のマンション」

「!!!だ、だめ!!それは無理!今正気に戻ったわ」


(あーーーっ!!私何やってんのよ!!
絶対にダメ!!!マンションなんて、ダメよ……)


「乗れよ?」

「イ・ヤ!」

「奈~央?」

優しく名前を呼ぶくせに、どこか高圧的な声が頭上から降ってくる。

彼の瞳(め)を見なくてもわかる。

奈央が絶対に断らないとわかっている。

「今日は、帰るわ……」

「へぇ、何で?」

「何で、って……」


(瞳(め)を見ちゃダメ……自分を保てなくなる)

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