ボクらのオキテ
はじまり
零くんが同じ教室にいたと知った時、
私はとても驚いた。


最初、私は零くんにまったく気付かなかった。


だって...零くんは大きくなっていたし、
女の子のようだった顔は、とてもかっこよくなっていたのだから。


彼が私の近くにいたと気付くのは、
学級委員決めの直後のこと。





「まだお互いのことをあまり知らないだろうが...
学級委員に推薦したい奴とか、いるか?」


担任がクラスに向かって問う。


沈黙。


誰も何も言わないのを、
先生が遮った。
< 10 / 73 >

この作品をシェア

pagetop