ボクらのオキテ
「じゃあ、そうだな...ハヤサカ。お前、学級委員とかどうだ?」


何を理由に“ハヤサカ”が担任に選ばれたのかは分からないけど、
可哀想な人だな、と思った。


みんなが後ろを振り向くので、
私もつられて後ろを振り向いた。


みんなの視線の先にいる“ハヤサカ”という男子は、
椅子に浅く腰かけ、
腕を組んで前方を睨むようにして座っていた。


「はぁ。」


否定とも肯定とも言えない声が彼の口から発せられた。


それを担任は肯定ととったようで、


「ありがとう、ハヤサカ。1学期の間、よろしく頼む。
じゃあ、あとひとり...」


担任の声を、


「立候補でも、いいですか?」


という女子の声が遮った。
< 11 / 73 >

この作品をシェア

pagetop