〜 YOU & ME 〜
〜 YOU & ME 〜

いつとも言えないいつか どことも言えないどこかで
霊的なものを科学し真実を見いだす日独研究プロジェクトが進んでいた


ドイツの某大学にて 1人の霊子工学教授が 青ざめて 1人ごとを放つ

「 我々は 想像の産物かも しれない 」

広いモニターには 霊的なものの霊エネルギーと 物質的なものの霊エネルギーを 見分ける映像が映しだされていた
彼の緑色の眼は釘付けになっている
高名な1学者からしたたる汗




いつとも言えないいつかの日本 世界

日本女性の美しさを強調する一部の女性たちにより
日本が日麗大帝国とよばれた時代

いつも空にはあちこちに 美を強調する戦艦が 浮いてた




 〜 YOU & ME 〜

雷電が 高校の屋上に行くと 赤龍が寝ていた

赤龍は双子の姉であり 校内派閥の敵対グループのボスでもあった

全く化粧に無頓着な 笑顔のまぶしいショートカットのたれ目ちゃんだ

雷電もボスである以上 姉貴とはある意味 戦争状態だった

しかしスヤスヤ寝てる姉貴に毛布をかけ しばし眺めてた

翌日 彼はグループの仲間に敵を知れば百戦危うからずといいわけしなければ ならなかった


夜……生きてるか死んでるかわからないマネキン人形のような両親が言う
「もう年頃だし部屋わける?赤龍?  雷電いつまでもお姉ちゃんに甘えてちゃだめよ」

「分けなくていい!」姉貴のあんな言い方は珍しい

いつもの部屋がいつもの部屋に見えなかった
「学校では容赦しないよ」赤龍は意地悪そうに笑う
「同じ学校にボスは2人もいらない」雷電は二段ベッドの下の方で言い返す

「つか 分けなくてよかったの?」
姉貴は何も答えず下段ベッドに顔だけ逆さまに覗かせた
ただじーっと雷電を見てた
雷電は観賞植物になるしか術がなかったようだ

そして朝 赤龍も雷電もいつものように日の丸の赤色制服に着替えお手てつないで登校

いや手をつないだのは今日いきなりだ
姉貴の方から無言で繋いできた

自分よりでかい体の姉貴のその優しい手は 雷電をして何かを感じさせた

彼はでかい女の子がもともとタイプだった
たれ目でおおらかで優しい純粋な顔の女の子がタイプだった
そしてある種の顔 彼自身の子供の頃のぼんやりした夢が女性の顔になったような顔

………………………………………………

自分の手をひっぱる姉の方をふと見た瞬間!彼は驚愕した!
姉貴が全部持ってたんだ!

「雷電にそんなに見つめられると……」


降りしきる雨の中のキス


「もう姉弟には戻れないね」
彼は真面目に笑ってた

「最初から決まってたんじゃない? 姉弟で敵で恋人?」姉は赤龍は意地悪そうに笑った
そう いつも赤龍はどこか超越してた
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