私と彼と彼とmusic
少女はメモ帳になにか書き込み、
俺に見せてきた。
『ありがとう。』
と丸い可愛らしい文字でかかれている。
「しゃべれないのか…?」
少女はこくんとうなずいた。
「そっか…」
精神的にまいってしまい、
声がでなくなるというのは
聞いたことがある。
そういった類いのことなのだろうか…?
「あ、俺高橋拓真。
君は?」
『葉山芽衣』と書かれたメモを見せてくる。
「めい、ちゃんかな?」
また小さくこくんとうなずく。
「芽衣ちゃん、家に帰れる?
俺送っていくよ?」
芽衣ちゃんは悲しそうに頭を横にふった。
『お母さんが、私いらないって言った。
だから私帰れない。』