黒猫にkiss
だけど
次の日のあげはの言葉を聞いてガラガラとそんな日々は崩れ去る
いとも簡単に。
「礼央~!大変なの!」
「…何?」
急にめずらしく朝早くからいたあげはが私を見つけるなりすっ飛んできた
思わず迫力に押されて後ずさり
「昨日ね、いつも通りに帰っていたんだけど公園の前にきたらなんか高校生ぐらいの人に声かけられたんだけど
そんなの初めてだし
どうすればいいかわかんなくって、腕ひっぱられて
それでみなみが助けてくれようとしたんだけど
みなみも捕まれちゃって怖くて怯えてたら
カッコイイ男子が助けてくれたの!」
いまいちコイツの説明がわかりにくいがつまり襲われそうになった言うことだろう
たしかに中学生でそんなことにはならないだろうと思っていたから驚きだった
…ロリコンなんだろうか。
「…カッコイイ男子?」
「うん、高校生ぐらいの大人っぽい人たち。みんな髪染めてて不良っぽかったけど
優しくってね?けど、みなみはものすごく毛嫌いしてたら
何故か気に入れられたようで…」
「ほー」
さすが、みなみー
クールだもんなぁ
みなみの性格は結構冷たいと思う。
今は落ち着いているが、
一応元ヤンだし。
みなみとその現場がすぐ想像できて笑いそうになった
「明日ここで会おうって言われちゃった…」
「……は?」
あげはのその言葉はあまりに衝撃的だった
「ここって?」
「たぶん公園…。けどこなかったら学校までくるかも…。制服だったしバレてると思う…、どうしよ!?」
「どうしよって…」
その言葉はどこまで信じていいんだろう?
ちょっと関わって、すぐに会いにくる?
いったいどこの仕組まれたシナリオだよ。
ただでさえクソ真面目な中学。
そんなとこに部外者を呼んだとなると嫌でも問題となる。
今年は受験だ
どんなに小さな悩みでも可能性のあるものはなくしたい。
「みなみは?」
「行かないって言い張ってる…」
ここは正門しかない。
もし仮にきたとすれば、
逃げれない
「ねぇ!礼央もついてきて!」
「…はぁ!?」