ひだまりの花




今日もまた、いつものように本を読みふけった。




やわらかな日差しと、たまに吹く春風が
華澄の長い髪をふわりとかきあげる。









…どれくらい読んだのだろう。





チャイムの音で我に返った。





ずっと本を読んでいたせいか、
頭がぼーっとする。




いつの間にか瞼も重い。








本を鞄にしまって、壁に寄りかかった。
壁に寄りかかると、入り口からは完全に死角になる。





―――少し、寝ようかな。見つからないだろうし。







華澄はゆっくり息を吐いて目を閉じた。











そのまま…








眠り込んだ。







もう、家にいるみたいだ。


でもそれくらい、


ここは安心できる場所。












< 7 / 8 >

この作品をシェア

pagetop