月下の幻 太陽の偽り (仮)
神秘の町 式
それから一睡も出来ずに日が照り出した。

そのタイミングを見計らったかのように瑞穂は起き始めた。

朝の6時半を少し過ぎた頃だ。

「起きた?」

「う、う~ん…。」

寝ぼけなまこな返事が返ってきた。

が、次の瞬間瑞穂はガバッと勢いよく起き上がった。

「ね…寝てた私、もしかして!?」

あまりに衝撃的過ぎたのか、瑞穂の言葉は主語・述語までバラバラになっていた。

私が答えるまでもない。

それは瑞穂本人が一番良く解ってる筈だ。

それを理解してすぐ、頭を抱えて踞まった。

「私とした事が…くうぅぅ~!」

瑞穂は後悔の念に苛まれ踞りながら声ともつかない声をあげていた。

< 40 / 127 >

この作品をシェア

pagetop